「他意はない」というが、発言は撤回しな…
「他意はない」というが、発言は撤回しないという。「言葉足らずだった」「舌足らずだった」と弁明しているが、そうは聞こえない。
先日の奈良市の6月定例議会での代表質問で、自民党会派の森田一成議員が、仲川元庸市長に辞職を迫る発言をした。これには当事者だけでなく市民からも批判の声が上がった。
舌がん治療で療養して、公務に復帰したばかりの仲川市長に対して、「がんは2、3週間で治る病ではない。病気療養にシフトされては」と。
それには「市長の職を辞すべき」とした。これを聞いたがん患者や家族が、一斉に反発した。がんと闘いながら仕事をしている多くの人に対し、「仕事を辞めよ」ということだ。
仲川市長は「仕事をしながらがんと向き合っていく」と一蹴しているが、党県連の幹部が、問題を重視して緊急会見をしたり、森田氏も会見に応じた。
「個人の意見」として発言を撤回せず、「言葉足らず」としたが、「代表質問」は党派の考えのはずだ。議長職を務めたこともある森田氏は、発言の重みを知るために「議員を辞すべき」ではないか。(治)