「寂しいとき、死にたいほどつらいとき、…
「寂しいとき、死にたいほどつらいとき、だれかに聴いてもらいたいとき、ひとりで悩まないで…」。奈良いのちの電話協会のホームページはそう呼びかける。
発足は1979年。全国で8番目に設立されたいのちの電話で、24時間365日、「眠らぬダイヤル」として運営されてきた。
今春の会報に掲載された設立45周年特集を読んだ。「大学を卒業して10年になるがバブル崩壊で仕事が見つからない」「夜逃げしても逃げきれんし、死ぬしかない」。経済・仕事をテーマにまとめられた相談内容は、時代を色濃く反映している。
最近は「コロナで仕事がなくなった。頼った知人にも雇う余裕がない」などコロナ関連の相談が目立つ。協会は倒産する中小企業の経営者、家族からの相談が今後も続くとみている。
そんな中、運動を支える資金や相談員の確保が難しくなっているという。相談員になるには研修を受ける必要があり、意欲のある人材が必要だ。
昼夜を問わず、いつでも話を聴いてくれる。活動が先へと続いていくためにも、45年の節目を契機にその意義を再認識したい。(増)