県は2016年から奈良市の平城宮跡で開…
県は2016年から奈良市の平城宮跡で開いてきた「大立山まつり(奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり)の廃止を決めた。観光客が減少する冬季の誘客を狙ったイベントで、荒井正吾前知事の肝いり事業がまた一つ姿を消す。
当初は四天王をかたどった光る大立山4基の巡行が目玉だった。しかし、コンセプトが分かりづらく批判が多かった。
18年度に実行委員長となった海龍王寺の石川重元住職の主導で改革。宮中の正月行事「御斎会」の再現をはじめ、宮跡で開く歴史的な意義付けを図り定着しつつあった。
県は「宮跡全体の整備方針の中で観光強化策を抜本的に見直す」と運営費拠出停止の理由を説明。同じく宮跡を会場とした「平城京天平祭(夏・秋)」も廃止する。
確かに一過性のイベントでは、効果に限界があるだろう。一方で、第一次大極殿の復元などハード面での整備が進む宮跡の魅力発信には、ソフト面での充実も不可欠だ。
山下真知事は、新たに立ち上げる観光戦略本部に平城宮跡歴史公園活性化部会を設ける方針を示す。民間からも幅広く声を集めて議論してもらいたい。(法)