日本新聞協会が新聞配達に関するエピソー…
日本新聞協会が新聞配達に関するエピソードや経験を募集したコンテストの選考結果が発表された。コンテストは今年で30回目。小学生から社会人まで、3200編余りが寄せられた。
読者の皆さんは毎朝届く新聞にどんな思い出があるだろう。審査員特別賞に選ばれた42歳の山田美和子さんの場合は、毎朝隅々まで新聞に目を通す祖父の姿。
広げた紙面の上にネコ、子どもだった山田さんは横から四こま漫画をのぞき込む。それが家族のコミュニケーションになっていた。
家庭を持って自身も同じ新聞を読むようになった新婚時代、住んでいた宮城県を東日本大震災が襲った。家具が倒れ、ライフラインが途絶えた自宅に届いた新聞は、今も大切にしまってあるという。
「情報があることがとてもありがたく、新聞屋さんの努力と苦労を思うと頭が下がる思いだった」。新聞を軸にした山田さんの家族の絆は今も変わらない。
コンビニで新聞を扱う17歳の森順咲さんは、インクで黒くなる指先を見て、「新聞は生き物だなと感じる」とつづった。エッセーの一編一編が胸に響いた。 (増)