国原譜

三輪山をご神体とすることで知られる大神…

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 三輪山をご神体とすることで知られる大神神社の拝殿奥に、三つの鳥居を組み合わせた結界がある。「三ツ鳥居」と呼ばれ、そこから先は神職さえ普段は立ち入らない禁足地という。

 

 その三ツ鳥居を登録商標とするのが県三輪素麺工業協同組合だ。組合の結成は明治28年。戦後、協同組合として再出発し、伝統の技法と味を守り続けてきた。

 

 「箱に三ツ鳥居のマークが付いているのが正真正銘の三輪そうめん」。桜井市の担当記者だった頃、組合の理事長が誇らしげに話すのをよく聞いた。白いそうめんがすだれのように揺れる天日干しの風景も写真に撮らせてもらった。

 

 それから30年近くたった今、地場産業としてのそうめんづくりは後継者不足が深刻化しているという。製造業者は約60人で2000年の約120人から半減した。

 

 家内工業の要素が強いため事業承継が難しく、高齢化が進行、小麦粉をはじめとする原材料価格の高騰も状況の厳しさに拍車をかけている。

 

 対策を講じなければ先細りはさらに進むだろう。天下に名高い「三輪素麺」の伝統と誇りを未来につながねばならない。(増)

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