クレジットカードの支払い情報を更新してください―。いつも利用しているネット通販会社から届いたEメール。ただ内容がどうもうさん臭い。

　と思っていると同社から翌日、注意喚起のメールが。確かに本物とは記述スタイルなども全く違うが、見慣れた社名についだまされかけた。

　ネット詐欺だけではない。県警によると今年、県内で起きた特殊詐欺は11月末現在で既に昨年1年間の101件を大きく上回る185件、被害額は3億8000万円に上るという。

　また今年上期は市役所職員をかたる還付金詐欺が多発、7月以降はキャッシュカードをだまし取る事案が相次ぐなど犯罪の手口には変化も。

　ただ被害者は約9割が65歳以上、そして犯人が使う接触手段は約9割が固定電話で変わらないから、注意すべきポイントは分かっている。にもかかわらず防げないのが詐欺の怖さ。

　日常の暮らしの中に素知らぬ顔で入り込んでくる犯罪。巧みな話術や精巧な書面に惑わされないよう気を引き締め直さないと。県警は歳末を控えて、改めて啓発活動や防犯電話の普及に取り組んでいる。(松)