子どものころ、趣味の定番といえば切手収…
子どものころ、趣味の定番といえば切手収集だった。筆者も少しの間だけ凝ったが、すぐに飽きてしまった。あのころ集めた切手はどこに行ったのか。
当時、記念切手も人気で、寄付金付きの切手も多数発売された。その発行枚数の最多記録は高松塚古墳壁画(国宝)の青龍と東壁男子群像の5010万枚で現在も破られていない。
高松塚古墳壁画は発見から1年後の1973(昭和48)年3月に、文化財保存のために3種の寄付金付き記念切手が初めて発売された。大きな話題を呼び、総発行枚数は1億2050万枚、寄付金合計7億400万円に達した。
切手の発売初日に記念の消印を押印することも人気だった。地元の明日香郵便局では発売開始前、粉雪の舞う寒さにもかかわらず徹夜組を含む約600人が行列したという。
開催中の壁画発見50周年を記念した飛鳥資料館特別展では、記念切手の関連資料も多数展示。考古学ブームを巻き起こした壁画の社会的影響の大きさを感じる。
筆者の家にも記念切手があるかもしれないので探してみたい。ただ、発行枚数が多く価値は低いらしい。(法)