国原譜

誰もがいつかお世話になるのは分かってい…

 誰もがいつかお世話になるのは分かっているから、その必要性を認め、一日も早い完成を願ってきた。奈良市の新斎苑(火葬場)のことだ。

 利用された関係者から、老朽化の激しさに驚きの声がもれていた。「現在地での改築か、移転新築か」と、何十年にもわたって論議され続けてきた。

 聞けば、年間約2500人の市民が亡くなり、現在地では1500人ほどしか対応できないという。あとの1000人は近隣の施設にお願いしてきた。

 火葬費用は奈良市の施設なら1万円だが、他市を利用する場合は8万円から10万円だという。他市利用の市民は、合計すれば年間8千万円以上も負担してきたことになる。

 だからこそ新しい火葬場の建設は急務だった。今の仲川元庸市長が就任してから12年間、市民が10億円以上も負担してきたことを思えば、来春完成する火葬場は評価したい。

 しかし、土地の購入額が高過ぎるとして市が市長と地権者に損害賠償を求めよとする判決は重く、請求権放棄の議会審議が続いている。用地買収に賛成した議会の責任も考えねばなるまい。(治)

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