国原譜

「読書家」などと名乗るのはおこがましい…

 「読書家」などと名乗るのはおこがましいが、自分ではかなりの本好きだと思っている。1日に1回は書店を訪れないと落ち着かない気分になる。

 まだ読めていない本があるのに、書店の本棚に気になる本を見つけると、つい手に取る。当然、いわゆる「積ん読」の本が増えてしまうのだが、「この本とは2度と会えないかも」との強迫観念に襲われてしまう。

 こんな「中毒症状者」が頼りとした書店が、また一つ姿を消した。先月31日に閉店した奈良市東向北町の豊住書店だ。

 公称で幕末の慶応3年創業の歴史ある書店。特に歴史関係の本の品揃えが抱負で、多くの歴史や奈良ファンらが愛してきた。筆者もその一人。

 今年、元店主夫妻が相次いで亡くなったことが閉店の理由だそうだが、ネット販売に圧されて書店の経営はどこも厳しいだろう。しかし、書店は「町の文化度」を示す指標の一つであり町には必要な存在。閉店は残念だ。

 きょう3日は「文化の日」。「読書週間」の期間中(9日まで)でもあり、豊住書店の思い出に浸りながら朱色のブックカバーで読書を楽しみたい。(法)

 

 

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