国原譜

弊社は、おかげさまで10月26日に「創…

 弊社は、おかげさまで10月26日に「創刊75周年」を迎えることができた。県民読者の厚いご支援があればこそのこと、心より感謝申し上げたい。

 その26日付から別刷り特集が連日折り込まれている。同日付第1特集に「入江泰吉さんが写した古都」という企画があった。奈良市写真美術館の提供による昭和20~30年代の写真と、現在の写真を比較している。

 そのなかの「昭和26年ごろの一条高校前」が目を引いた。一条通を東に向かうバスや、巨木が写っている。現在、その木は根元だけが「御神木」として、高校前の交差点南西角に鎮座する。

 同高校に勤務し、後に帝塚山短大の名誉教授となった故・猪股靜彌先生の本「野に遊び 人に学ぶ」(奈良新聞社)にその経緯が書かれている。

 それは樹齢千年を超えた、根回りの径2メートル余のセンダンの巨木。先生が地主さんに枯死した木の保存を懇願。その方の厚意で覆い屋根、祭壇と囲いの柵が作られたという。

 近くの農家の人々が豊作を祈念したという「野神さん」は今も一条通を見つめている。ハイカーらにも立ち寄ってほしい場所だ。(恵)

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