国原譜

読書週間が27日、始まった。11月9日…

 読書週間が27日、始まった。11月9日までの期間中、書物に興味を示す人々の背中を押す取り組みが各地で行われることだろう。

 私事ながら、これまで何度か居住地を変えたが、ほぼ各所で無理なく歩いて行ける距離に本屋があり、活字と浅からぬ関係が保てた。奈良市の今の場所もそうだった。

 過去形なのは、十数年の間に古書店を含む近所の三つの本屋が姿を消したからだ。それなりの乗降客がある駅周辺から、ふらっと立ち寄れる本屋がなくなった。

 活字離れの進行はもとより、ネットで素早く新刊が購入でき、電子書籍も伸長する時代。規模の大小にかかわらず、なじみの本屋がいつまでもあると思わない方がいい。

 個人ではささやかな抵抗だが、絶版本や仕事で急ぐ時を除き、書籍は注文してでも県内の書店で購入するようにしている。少し時間がかかるけれど、待ってる時間もまた楽しだ。県内の活字文化の拠点はそれぞれの方法で応援したい。

 今年の読書週間の標語は「最後の頁を閉じた 違う私がいた」。今年そんな本との出会い、気持ちを味わうことがあっただろうか。(智)

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