国原譜

ごみの収集処理は住民にとって最も身近で…

 ごみの収集処理は住民にとって最も身近で、必要不可欠な行政サービスといえる。しかし、県都奈良市は、ごみ処理行政の将来に暗雲がたちこめる。

 3市町で進めていたごみ処理広域化の協議から大和郡山市が離脱。両市境近くの奈良市七条地区で計画されていた新処理施設計画が事実上、暗礁に乗り上げた。

 大和郡山市は現行施設の敷地内で建て替える方針だが、奈良市は計画を続行する構え。このままでは、市境を挟んで同じ性格の施設ができる。

 大和郡山市の離脱理由は、周辺自治会からの建設反対だ。それ以外にも、周辺の理解を得ないまま手続きを進める奈良市への不信もあるようだ。

 現行の市環境精美工場の老朽化もあり、奈良市に残された時間は少ない。少子高齢化で地方自治体の税収減が進む中、ごみ行政の広域化は現実的な選択肢といえるだろう。

 奈良市に対する大和郡山市の不信解消には、トップ同士の真摯(しんし)な話し合いも必要ではないか。平城京の南限に位置する歴史的な場所で2本の煙突が並び立つ、悪い冗談のような風景だけは避けてほしい。(法)

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