他人の空似なのだろうか。日本の格差社会をつくった元凶とも一部で批判されている某人材派遣会社会長に似ているといわれ、筆者は気分を害している。

　といっても、ある友人がSNSで、その会長を「顔も見たくない」と酷評するのを見て動揺し、「そんなに悪人面ではないけれど」と擁護したくなるのが不思議だ。

　この場合、他人の空似は見分けられるのだろうか。顔の画像を事前に登録すれば、手ぶらでも銀行窓口での入出金手続きや、小売店での買い物ができる仕組みが発表された。

　りそなHDなど4社が顔認証の技術を使って共同開発した。利用者が店舗を訪れた際、機器による「顔パス」で瞬時に本人確認して決済するという。

　よくハリウッドのSF映画で、顔認証でセキュリティーチェックを通過するシーンがある。精緻なデジタル技術を駆使しているので、今回のシステムは顔を誤認することはないのだろう。

　ただ、プライバシーの観点から、データの安全性確保が課題らしい。自分の顔は誇るべき唯一無二のもの。悪用されるかもしれない不安は誰でも嫌だ。(栄)