国原譜

いろいろな思いが交錯する中で、東京五輪が始まった。国民がこぞって選手を応援するという従来とは少し違うような現状もあるが、競技が始まれば…

 いろいろな思いが交錯する中で、東京五輪が始まった。国民がこぞって選手を応援するという従来とは少し違うような現状もあるが、競技が始まれば日本選手の活躍に拍手を送っている人も多いことだろう。

 平和の祭典ではなく、コロナ禍という非常時下での開催となり、これまでの選手や関係者の苦労は並大抵のものではなかっただろう。一方で、政府のコロナ対策がもっと進んでいれば、との思いは今もつきまとう。

 夜の開会式を見ながら、昭和39年10月の東京五輪開会式を思い出した。九州で小学校から走って帰り、買って間もない白黒テレビを食い入るように見つめていた。

 それまでは、近所の遊び仲間の家に押しかけて、見せてもらっていた。テレビはまだぜいたく品で、一家に一台という時代ではなかった。気がねなく自宅で見られることはうれしかった。

 カメラ好きの亡父が、開会式のテレビ画面を撮影したプリント写真が今も残っている。不鮮明だけど、当時の喜びや親の思いが伝わってくる。

 開幕直前までのゴタゴタぶりはしばし忘れてテレビ観戦にひたるとしよう。(恵)

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