国原譜

梅雨明けが近いせいか、雷鳴を聞く日が増…

 梅雨明けが近いせいか、雷鳴を聞く日が増えた。以前は夏の夕方など落雷でしょっちゅう停電したように記憶するが、最近はめったになくなった。

 送電ルートの多様化や電力会社による設備の日常点検のおかげだ。関西電力送配電は停電情報アプリの活用を推奨している。

 関西エリアの停電情報や復旧作業の進行状況を細かく掲載しており、落雷位置も地図上で確認できる。長時間にわたる停電では重宝しそうだ。

 平安時代に書かれた日本霊異記に「雷の好意で授かった子どもが力持ちだった話」がある。男の前に落ちた雷は子どもの姿。命を助けてくれたら男に子どもを授けるという。男が願いを聞いてクスの木の水槽に水を入れると、雷は雲を起こして天に戻った。

 やがて授かった子どもは怪力の持ち主。元興寺の鬼を退治したり、寺の水田に水を引き入れるなど活躍し、出家を許されて道場法師と呼ばれた。

 日本霊異記には雄略天皇の命令で雷を捕らえた役人の話も登場する。現実の雷は命に関わる天災だが、落ちた雷さまが困っているかも、と考える余裕も心に持ちたい。(増)

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