地域別男女の格差

国原譜

年齢を重ねると、健康診断の数値が気にな…

 年齢を重ねると、健康診断の数値が気になる。デスク勤務になってからは運動不足になり、血圧に加えて血糖値も上昇。もはや立派な生活習慣病だ。

 奈良時代に経典の書写に従事した写経生たちも同じだったらしい。「古代の食を再現する」(吉川弘文館刊)では、「正倉院文書」などの史料を基に写経生の食事を復元している。

 同書によると、写経生たちの給食は炭水化物過多だった。加えて長時間座ったままの勤務は運動不足になりやすく、糖尿病の発症リスクが高い。

 写経生の休暇届「請暇解」に残る病名には足病などが多く眼病もある。足病は糖尿病の初期症状「手足のしびれ」に該当し、眼病は合併症の「糖尿病網膜症」と仮定できる。

 万葉歌人の山上憶良も「手足が動かない」など糖尿病をうかがわせる症状を歌に残す。また、平安時代の権力者、藤原道長もしきりに喉の渇きを訴えて水を飲んだとされ、糖尿病だったとみられる。

 日本人は欧米人よりも糖尿病の発症しやすく、千年以上の時を経ても人々の悩みは変わらない。まずは食生活を見直し運動を心掛けなければ。(法)

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