国原譜

今年は日本初の実測日本地図「大日本沿海…

 今年は日本初の実測日本地図「大日本沿海輿地全図」が完成して200年。江戸時代後期の測量家、伊能忠敬が中心となって作製したもので「伊能図」とも呼ばれる。

 伊能は寛政12(1800)年から足掛け17年にわたって全国を歩いて測量。大図(3万6千分の1)214枚、中図(21万6千分の1)8枚、小図(43万2千分の1)で構成される精密な日本全土の地図を作った。

 文化5(1808)年には約1カ月間、大和路を歩いて測量。また、その後も伊賀(三重県)から京都に行く途中に興福寺や春日大社を参拝した記録が残る。

 奈良に関連した伊能の逸話がもう一つ。測量日記には「奈良漬を食した」との記述が度々登場。また晩年には「歯が抜けて奈良漬を食べられない」と嘆く手紙が残るなど好物だったらしい。

 驚くべきことに、伊能が測量を始めたのは隠居後、50歳を過ぎてからだという。当時としては「老人」といっていい高齢だ。

 現代風に言えば「定年後のセカンドライフ」で成し遂げた偉業。筆者も50歳を過ぎたが、負けていられない。人生はこれからだ。(法)

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