国原譜
「やっぱりこれをやってよかった。これを…
「やっぱりこれをやってよかった。これをやらなかったら日本人は病気になる」。昭和39年東京五輪の開会式を見た作家三島由紀夫の感想である(三島由紀夫スポーツ論集、岩波文庫)。
今年の東京五輪には新型コロナ感染拡大につながると反対が根強いが、前回の五輪にも開催前は「予算を公害対策や福祉に回すべき」などと大会を疑問視する声があったのだ。
それらに一定の理解を示しつつ、三島はスポーツの祭典に感動したのだった。前の五輪は国民総意の念願だったとの誤った認識を持っていた人は、筆者だけではあるまい。
ただ、今回は感染症という目にみえない難敵が相手だけに、「これをやったら日本人は病気になる」との考えが、数多くあるのは理解できる。
しかし、たとえ反対ではあっても、五輪を目指して精進を重ねてきたアスリートらに対する敬意を忘れてはならない。選手にSNSなどで難癖をつける人こそ病気だ。
「これは生まれてはじめて、私がスポーツを見て流した涙である」。日本女子バレーボール優勝に三島。このような時を体験できるのだろうか。(栄)
今年の東京五輪には新型コロナ感染拡大につながると反対が根強いが、前回の五輪にも開催前は「予算を公害対策や福祉に回すべき」などと大会を疑問視する声があったのだ。
それらに一定の理解を示しつつ、三島はスポーツの祭典に感動したのだった。前の五輪は国民総意の念願だったとの誤った認識を持っていた人は、筆者だけではあるまい。
ただ、今回は感染症という目にみえない難敵が相手だけに、「これをやったら日本人は病気になる」との考えが、数多くあるのは理解できる。
しかし、たとえ反対ではあっても、五輪を目指して精進を重ねてきたアスリートらに対する敬意を忘れてはならない。選手にSNSなどで難癖をつける人こそ病気だ。
「これは生まれてはじめて、私がスポーツを見て流した涙である」。日本女子バレーボール優勝に三島。このような時を体験できるのだろうか。(栄)