国原譜
田原本町の唐古・鍵遺跡は絵画土器に描か…
田原本町の唐古・鍵遺跡は絵画土器に描かれた楼閣の復元で知られる。弥生時代を代表する環濠(かんごう)集落で、最近は史跡公園としてにぎわう。
この遺跡の北側に位置する清水風遺跡で、シャーマンとみられる女性を描いた絵画土器が見つかった。ムササビのような服を着て両手を広げた姿は「鳥装」と呼ばれる。
全国的には今回が20例目だが、注目されるのは明確に女性と確認できる初の史料となったことだ。胸には乳房の表現がはっきりと見てとれる。
弥生時代の清水風ムラには二つの役割があったと、田原本町埋蔵文化財センター長の藤田三郎さんはみている。
唐古・鍵ムラとの距離は約500メートル。調査では運河のような川跡も見つかっており、清水風ムラには人や物資の出入りをチェックする玄関口の役目があったという。
もう一つの顔は祭祀(さいし)空間。絵画土器は人に見せるものではなく、まつりの場に供える行為が重要だったと藤田さんは指摘する。女性シャーマンに託したのは豊かな実りだろうか。絵画土器を通して弥生びとの秋ものぞいてみたい。(増)
この遺跡の北側に位置する清水風遺跡で、シャーマンとみられる女性を描いた絵画土器が見つかった。ムササビのような服を着て両手を広げた姿は「鳥装」と呼ばれる。
全国的には今回が20例目だが、注目されるのは明確に女性と確認できる初の史料となったことだ。胸には乳房の表現がはっきりと見てとれる。
弥生時代の清水風ムラには二つの役割があったと、田原本町埋蔵文化財センター長の藤田三郎さんはみている。
唐古・鍵ムラとの距離は約500メートル。調査では運河のような川跡も見つかっており、清水風ムラには人や物資の出入りをチェックする玄関口の役目があったという。
もう一つの顔は祭祀(さいし)空間。絵画土器は人に見せるものではなく、まつりの場に供える行為が重要だったと藤田さんは指摘する。女性シャーマンに託したのは豊かな実りだろうか。絵画土器を通して弥生びとの秋ものぞいてみたい。(増)