建学の精神を未来へ 奈良大学創立100周年記念式典 舞楽「蘭陵王」がオープニング飾る

奈良大学や同大付属高校、同大付属幼稚園などを運営する学校法人奈良大学は28日、創立100周年記念式典を、奈良市山陵町の同大学で開いた。山下真知事や仲川元庸・奈良市長ら来賓を含む約500人が参加し、節目を祝福した。
式典は同大雅楽研究会による祝賀雅楽で幕が上がり、舞楽「蘭陵王(らんりょうおう)」の雅な世界観がオープニングを華やかに飾った。付属高生による100周年記念ロゴの製作風景を映像で紹介し、三味線部となぎなた部も演舞を披露し式典を盛り上げた。
山下知事は「学生に奈良で就職してもらいたいし、魅力ある職場を県内に増やしている」、仲川市長は「『学生のまち、奈良市』に取り組む市として、社会のための大学に力を入れてください」とそれぞれ祝福し、さらなる発展を期待した。
浅川正美理事長は、建学の精神「努力が天才であるとする心の光」に触れ、創立100周年のキャッチフレーズ「つなごう、未来へ」を紹介。「法人の建学の精神を次の世代へつなぎ、少子化でも法人の各施設を安定して未来へつないでいく」と式辞を述べた。
式典の後、祝賀会が開かれた。
同法人は1925(大正14)年、勤労青年の学びの場にと、創設者の薮内敬治郎氏が薬師寺(奈良市西ノ京町)の境内に夜間の南都正強中学を興したことが始まり。2年後の27年に同市西大寺東町に移転。46(昭和21)年には県正強中学校中間部の設置が認可され、48年の学制改革で奈良正強高校となった。67年に幼稚園、69年に奈良大学を開設。88年に大学は奈良市宝来町から同市山陵町に移転し、93年に大学院を設置。2003年、法人名を学校法人奈良大学に変更した。