政治

奈良市、下水道管路を緊急点検 埼玉の道路陥没受け独自で分水幹線19カ所

関連ワード:

管口カメラを使用した下水道管路の点検。これから実施する緊急点検は地下10メートルに下水道管があるため調査員がマンホール内に入り目視で行う(奈良市企業局提供)

 埼玉県八潮市で起きた下水道幹線の破損が原因とみられる道路陥没事故を受け、独自の緊急点検を検討していた奈良市は12、13の両日、市内の直径2メートル以上の下水の3分水幹線で計19カ所の点検を実施する。設置から21~35年が経過した点検未実施の下水道管路。八潮市の事故発生後、市企業局や市の委託業者に市民らから「道路にひびがはいっているが大丈夫か」など、約20件問い合わせがあるといい、委託業者による目視での点検を実施する。

 

 1月28日に発生した八潮市の事故は陥没した穴に通行中のトラックが落下。その後も穴が広がるなど捜索作業の難航が続き、奈良市民の関心も高い。国土交通省の要請に応じた県の緊急点検が既に始まっているが、自主的に点検に取り組む自治体の動きも広まり、同31日の奈良市議会建設企業委員会で同問題を取り上げた山本憲宥氏(自民党)の質問に、増田聡企業局長が「市も緊急点検を検討する」と前向きの姿勢を示していた。

 

 国交省が点検を要請している条件に見合う施設は市内にはないが、2メートル以上の大きな口径の管路を有しており、総延長約4.7キロのうち、点検済みの椿井~小川▽法華寺▽大安寺西―の矩(く)形管路を除いて、今回はこれまで点検が未実施だった三つの分水幹線を前倒しで調査する。

 

 具体的には、佐保(総延長1709メートル)▷大宮(同1016メートル)▽高畑(同1551メートル)―で、いずれも円形の管路。これらは地下10メートル程のところに敷設されているため、調査は委託業者がマンホール内に入り、土砂の堆積状況や管路の状況など目視で確認する。

 

 点検で異常がみつかった場合、詳細点検を行う予定で、詳細点検に必要な大型カメラなども導入予定。調査は年度内に終える計画。

 

 市企業局下水道事業課によると、市内では本管から各住戸などの敷地内に引き込まれる取り付け管(陶管)が破損するなどのトラブルは年間10~20件起きているが、下水道管の腐食などによる陥没事故などは、これまでには起きていないという。

こちらの記事も読まれています

特集記事

人気記事

  • 奈良県の名産・特産品・ご当地グルメのお取り寄せ・通販・贈答は47CLUB
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド