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うつぶせの人の上をゴロンゴロン 樽状の綱を転がし厄払い 奈良県平群町で千年超続く「椣原(しではら)勧請綱掛け」

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樽状の綱を人々の上を転がし厄除祈願=12日、平群町の金勝寺

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綱を年男の体に巻き付けて

 

 奈良県平群町椣原(しではら)で一千年以上伝承されている「椣原勧請綱掛け」が12日、同町の金勝寺で行われた。わらから編んだ綱を年男の体に巻き付けて樽状にし、うつぶせになった人の上を転がして厄払いした。続いて、寺の前を流れる竜田川に龍がはうかのようにしめ縄を渡し、無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。

 

 

女性も子どもも参加

 

 椣原自治会・綱掛け保存会が主催。地域の伝統行事を守り伝えようと2年前に保存会が立ち上がり、ポスターなどを制作してPRしている。本年度は紙芝居を作り、男性中心の神事から女性も子どもも参加できるようにした。

 

 

竜田川に渡して息災祈願

 

 綱は雄雌2本作り、長さは雄綱が約27メートル、雌綱が約12メートル。本殿前で樽状に丸めた綱の中から年男が抜け出すと、その丸めた綱を「祝(い)おたれ、祝おたれ」と皆で声をかけながら、希望者の上を転がした。

 

 綱を掛ける場所は、竜田川の滝になっている場所。雄綱に雌綱を巻き付けて、龍の足に見立てた松の枝を取り付けた綱を渡した。周辺には龍にまつわる自然が多く、龍神信仰と合わさった神事とも。同勧請綱掛けは、東寺(京都市)の古文書「百合文書」に「椣原の辻祭り」として記載されており、始まりは一千年以上前の奈良・平安時代にさかのぼるという。

 

 同保存会の山本栄二会長は「綱掛けを通して人々がつながり、助け合いの輪が広がり、神事が続いていければうれしい」と語った。

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