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第29回奈良新聞文化賞 県立医科大学の細井裕司理事長・学長と氷室神社文化興隆財団の大宮守友代表理事に

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田中篤則社長から賞状を手渡される細井氏(左)と大宮氏(奥)=9日、奈良市法華寺町の奈良新聞社

 第29回奈良新聞文化賞の授賞式が9日、奈良新聞社で開かれ、県立医科大学の細井裕司理事長・学長と氷室神社文化興隆財団の大宮守友代表理事に賞状と記念品が贈られた。同賞は文化、芸術、スポーツなど、県内の各分野で活躍する個人・団体を表彰するもの。

 

 式には、細井氏、大宮氏と奈良新聞社の役員らが出席。田中篤則社長が両氏に表彰状と記念品を手渡した。

 

 細井氏は、2004年に耳の周囲の軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導の仕組みを発見し、「第三の聴覚経路」として発表。研究成果を反映した「軟骨伝導イヤホン」は高齢者や難聴に苦しむ人たちの福祉の向上に大きく貢献し、自治体や金融機関の窓口でも導入が進んでいる。

 

 細井氏は「軟骨伝導イヤホンを世界に広めていきたい。今回の授賞がそのきっかけになれば」と話した。

 

 大宮氏は2015年4月から24年1月まで、奈良新聞で近世の奈良にスポットを当てる「大和こぼれ話」を106回にわたって連載。奈良奉行の大和支配を深く掘り下げるなど、近世の奈良の歴史の魅力を伝えた。

 

 大宮氏は「あまり知られていない江戸時代の奈良奉行について広く伝えることができてよかった」と語った。

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