奈良の東京芸大教育実習施設で学生の個展一般公開
9月29日まで初の展示イベント
東京芸術大学(東京都)の教育実習施設、奈良市登大路町の同大美術学部付属古美術研究施設で、学生の個展が開かれている。同施設で一般に公開する展示イベントは初の試みで、同施設は「奈良の皆さんが施設を知る機会となれば」としている。29日まで。
同施設は、奈良や京都などを見学する同大美術学部3年の必修科目で、明治時代以来120年以上の歴史がある伝統授業「古美術研究旅行」のために設けられた宿泊施設。
同大は2022年、県となら歴史芸術文化村(天理市)に関する連携協定を締結しており、今回、学生の研究発表の場として初めて同施設での展示イベントが企画された。
個展を開いているのは美術学部先端芸術表現科3年の白川深紅さん(25)。インド・ベンガル地方を巡り初期仏教や染色、織物について調査した経験があり、病院などの壁画制作を中心にドローイングやデザインの手法を組み合わせた活動に取り組む。
個展のテーマは「ブッダから飛び出す虹色ビーム 赤編」。インドの植物「クムクム」から作った赤色顔料で描いた掛け軸の絵画作品▷インド滞在中に制作したブロックプリントの版木▷同施設が所蔵する「法隆寺金堂壁画集」の写真を並べたインスタレーション―など多彩な作品を展示する。
各作品を漫画で解説する工夫も。白川さんは「作品を通して日本と世界がつながっていることを感じてもらえるとうれしい」と話す。
午前9時~午後5時開場(28、29日は午前11時から)。入場無料。