心に寄り添う看護を 奈良文化高衛生看護科62人が戴帽式
奈良県大和高田市東中の奈良文化高校で13日、衛生看護科2年生62人が戴帽式にのぞんだ。ナースキャップを着けて暗闇の中、ろうそくをともし、「人々の幸のために身をささげん」とナイチンゲール誓詞を唱和。医療人としての責任と自覚を胸に刻んだ。10月から病院の臨地実習に望み、3年生で准看護師の資格取得を目指す。
式典は、ナイチンゲールがクリミア戦争の野戦病院で夜間にランプをともし、院内を巡回したのに由来する。
同校ではコロナ禍の時にもマスクを着用し、戴帽式を継続。感染予防のため火を吹き消さずに済むよう、ろうそくをランプで代用した。今年は5年ぶりにマスクが外れ、ろうそくに戻したという。
中野善久校長(63)は、「次代を担う看護師として、裁量拡大を見据えた学びを心がけてほしい。予期しない課題を解決する力、柔軟な思考力、的確な判断力などの実践力を身に付けてほしい」と祝辞。
奈良学園の伊瀬敏史理事長(67)は文書で「いつも笑顔を忘れず、時には患者さんを笑わせてあげる心がけもお願いしたい」とアドバイスした。
戴帽生代表として宣誓した、浅井咲姫(さき)さん(17)は、「人を助けるのが好き」と祖母、母と同じ看護職を選んだ。「戴帽式は憧れだったので参加できてうれしい。人の心に寄り添える看護師になりたい」と話した。
2年生は今後、乳幼児▷小児▷成人▷高齢者▷精神患者―の医療現場で実践経験を積む。