歴史文化

奈良県立民俗博物館、展示を一時休止へ 2027年度中に再開予定

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 奈良県は1日、大和郡山市矢田町の県立民俗博物館の展示を7月上旬から休止することを明らかにした。収蔵スペース不足により館外で保管している民俗資料を適切に管理できるようにするためで、2027年度中の再開を予定している。県議会文教くらし委員会で報告があった。

 

 同館は大正から昭和初期の生活用具や農具など約4万5千点の民俗資料を保有。常設展や企画展を開催し、年間1万7千人~2万人が来館する。

 

 ただ民俗資料が収蔵庫に収まりきらず、10年ほど前から旧県立高田東高校や旧郡山土木事務所など館外で資料の一部を保管。一時保管場所は温度や湿度の管理ができないため、資料が傷む可能性があり解消が必要だった。また同館自体が開設から50年が経ち、老朽化が進行。昨夏には空調設備の不具合により臨時休館を余儀なくされた。

 

 こうした課題に対応するため、県は本年度、民俗資料を移動し、整理するための費用や非常用電源など老朽設備の改修に向け、約4800万円の予算を確保。

 

 今後は一時保管場所から本館に資料を移し、展示スペースを活用して調査を実施。傷んだ資料は処分するなど整理を進める。また収蔵展示など展示方法の検討や、民俗資料の受け入れ基準を決めるなど館内で適切に管理できる方法を探る。

 

 休止期間中は大和民俗公園内の古民家を利用し、民俗資料を展示する予定という。またトイレや会議室などの利用は継続する。

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