気迫あふれる演武披露・郡山東中で 空手道の魅力知って - 奈良県空手道連盟

「武道」としての伝統と「スポーツ」の魅力が融合する空手道。2031年に県で開催される国民スポーツ大会に向け、県空手道連盟(水流清昭理事長)はより一層の普及・発展に努めている。その一環として3日、大和郡山市立郡山東中学の1、2年を対象にした総合的な学習の時間で、「沖縄(琉球)伝統舞踊と空手道」と題して、粟井健一・同連盟副理事長が講義。模範演武なども披露した。(牡丹賢治)
空手発祥の地は、かつて琉球と呼ばれた沖縄。粟井副理事長は「14世紀後半に伝来した中国拳法の影響を受け、現在の形に発展したと考えられる」と解説。突き、蹴り、受け、転身、投げ、固め、極めなどの技を活用した武道で、琉球の地で研さんされ、現在では国内はもとより世界中に広まっていることを紹介した。
最初は神秘的な秘儀だったが、人間形成への道という意味から空手道と呼ばれ、正しい形で丁寧な礼を行うことが求められるようになった。礼を重んじることが自己抑制につながり、人間形成にとって重要だという。
琉球舞踊と空手の関係性について粟井副理事長は、「『二才踊り』という古典舞踊は空手の技法を取り入れながら、活発さと力強さを強調している。戦後の創作舞踊、『護身の舞』は空手の動きを随所に取り入れた舞い」などと説明。空手道の基礎知識とともに琉球舞踊の中に隠されている空手の技法に触れた。
さらに同連盟の相原智之常任理事が監督を務める大阪産業大学空手道部の学生とともに、気迫あふれる形演武や自由組手を披露したほか、関西沖縄舞踊研究所の仲村絃代表らが琉球舞踊を紹介した。
14日も実施する予定で、生徒らが空手道の基本技を使った演武などに挑戦する。粟井副理事長は「琉球舞踊と空手道の歴史や技術を学ぶ中で、現在150か国以上数千万人の愛好家がいるといわれる空手道の魅力を知ってもらいたい」と意気込む。
2024年6月12日付・奈良新聞に掲載