奈良県斑鳩町の法隆寺で「お会式」 特別な供え物が飾られた堂内に、聖徳太子をたたえる声明響く
奈良県斑鳩町法隆寺山内の法隆寺・聖霊院で22日、聖徳太子の遺徳をしのぶ伝統行事「お会式(えしき)」が始まった。法要が営まれ、特別な供え物「大山立(おおやまたて)」が飾られた堂内にお会式特有の声明が響いた。
大山立は高さ約2.5メートル。餅やミカン、米粉を揚げて中に干し柿を入れた「柿揚(かきあげ)」などで、仏教の宇宙観を表す須弥山(しゅみせん)を表現。その上部には米粉で作った鳳凰やツバメを、まるで飛び交うように飾っている。
法要では雅楽の調べに合わせて、僧侶らが裏声を交えた独特の節回しで声明を唱え、古谷正覚住職が聖徳太子の業績を記した「太子講式」を読み上げた。太子の徳をたたえる仏教歌「太子和讃」もうたわれた。
お会式はかつて太子の命日2月22日に営んでいたが、現在は1カ月遅れて行われている。24日までの期間中、本尊聖徳太子像(国宝)の厨子が開かれる。