航空自衛隊幹部候補生学校長兼奈良基地司令に就任した岡本秀史さん(50) - ときの人
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昨年12月22日付で航空自衛隊幹部候補生学校長兼奈良基地司令に着任。「安全保障環境が厳しい中、多様性など社会の価値観に沿ったリーダーシップを教えていく」と力を込める。
国を守るという任務達成に向けて厳しさは追及しつつ、個人の自由、権利の保障も必要。「少子化が進むなか人材は宝。バランスを取るのは困難だが、規律は守りながら個人の能力も伸ばしていく」と語る。
奈良基地指令として、「関西唯一の航空自衛隊として、恥ずかしいことはできない。地域住民の方にわれわれの活動を積極的に発信し、理解を得て溶け込んでいきたい」と強調する。
曾祖父が十津川村出身。自身も幹部候補生として約半年間を過ごした愛着のある奈良での勤務は「誇らしく思っている。日本発祥の地で歴史と文化を学べる。幹部候補生たちにも神社仏閣を巡り、愛すべき日本を守る気持ちを育んでもらいたい」と期待した。
父親も同学校のOBで、国に尽くす姿を見て憧れを持ち、基地祭などで見た航空機に心を奪われて自衛隊に入隊。那覇基地での勤務に始まり、長く航空機の整備に関わってきた。「整備は失敗が許されず、常に真剣勝負。若い部下隊員たちが一から組み上げた航空機が無事に飛び立つ瞬間は、他では得られない充実感がある」。
趣味はうなぎ釣りと革細工。座右の銘は「実るまで努力せよ」。努力するのは当然で、実って初めて意義があると幹部候補生たちに伝え、国を守る人材を育てていく。(梶田智規)
おかもと・ひでふみ
1973(昭和48)年3月生まれ。防衛大学校国際関係学科を卒業後、96年から那覇基地第83航空隊整備補給群検査隊で勤務。同基地第9航空団整備補給群司令や入間基地航空安全管理隊司令などを歴任した。