新型コロナ終息願い奏上5万回 奈良の春日大社、4年間続いた「特別祈願」終える
奈良市春日野町の春日大社(花山院弘匡宮司)で、新型コロナウイルスの早期終息を願って4年間続けられた特別祈願を1月31日に終了し、1日に営まれた旬祭で同祈願の終了が奉告された。同大社ではコロナ流行後、2020年1月31日から、年間2200回の祭典と毎日営む朝拝で、「疫病退散祈願詞」や「大祓詞(おおはらえことば)」を奏上。通算で5万回に及ぶという。感染状況が落ち着きを取り戻しつつあることから、4年目にあたる1月31日に特別祈願を終了した。
この日は、神職9人と巫女(みこ)3人が参列。本殿の神前に疫病が鎮まることを願った4年間の祈願札がささげられ、花山院宮司が感染が落ち着いたことを感謝、今後の疫病まん延防止や国民の平和と安寧を願う特別な祝詞を奏上した。続いて大祓詞の奏上と神楽の奉納が行われた。
祭典を終えた花山院宮司は「4年前はここまでの国難になるとは想像していなかった。国民を苦しみから救うことを祈るための神社として終息を願い、祝詞奏上を続けてきた。感染状況が落ち着いてきたことを受け、区切りとして神様に感謝申し上げた」と話した。