肝機能障害の指標ALT<30 - 早期受診へ奈良マラソン会場で普及呼びかけ
肝がんや肝炎の予防へ、奈良県肝疾患相談センターは12月9日の奈良マラソン会場で肝炎検査を行い、スペシャルゲストの有森裕子さんや間寛平さんらによる啓発リレーメッセージ動画を配信して、「ALT<30」の普及と早期検査を呼びかける。ALTは肝機能の検査数値の一つ。
同センター長で、県立医大消化器・代謝内科准教授の赤羽たけみさんは「手遅れになる前に病気のサインをいかに早く発見するかが重要。肝がんなどから一人でも多くの県民、国民の命を守りたい」と話す。
日本では、成人の3人に1人が肝機能の異常があるとされるが、多くの患者は病院で受診・治療を受けていない。
背景には、“沈黙の臓器”と言われる肝臓特有の性質があり、倦怠(けんたい)感や黄だんなどの症状が出て病院に行った時には、肝硬変、肝細胞がん等重症化している可能性がある。医療費の負担も大きい。
これらリスク回避の指標が、今夏奈良で開かれた日本肝臓学会総会で発表された「奈良宣言2023 ALT<30」。厚生労働省も、同ALT値が30を超えた状態を異常値と定めている。