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食品容器のニューウェーブ 「吉村化成株式会社」 - 奈良の自慢企業(15)

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220度の高温にも耐えられる「ベイクック」シリーズのプラスチック容器

常温で長期保存可能、耐熱性も

大手コンビニで採用

 

 1967(昭和42)年の創業時から、「プラスチックのうつわ」を長年にわたって作り続けている企業が奈良県香芝市の吉村化成(吉村孝勝代表)。創業以来、一環して食品用のプラスチック容器を製造してきた。現在はギフト用のゼリー容器が主力商材となっている。

 

 ギフト用の食品容器は、食品製造から開封して食べるまで、コンビニの食品などと比べて長い日数がかかるため、常温でも長期保存が可能なバリアー機能を持つシートを独自技術で加工している。

 

 当社は創業以来、このバリアー機能を持つプラスチック容器を得意としてきた歴史がある。2012年に吉村氏が代表になってからは、高耐熱プラスチック容器の開発にも力を注いできた。

 

 加工が難しい代わりに優れた耐熱性、耐油性を持つ材料「C―PET」を使って開発されたのが「ベイクック(BAKEQ)」シリーズだ。通常、耐熱性を持つプラスチック容器でも130度までのものが一般的だが、ベイクックは220度の耐熱性を持ち、調理をしてそのままオーブンで焼き上げられるプラスチック容器となっている。

 

 これまでに、大手コンビニのスイーツ容器としても採用されたほか、TVドラマ「この恋あたためますか」の中で、実際にスイーツを開発する場面でもベイクックが使用されたそう。

 

 社内には新製品開発が好きな社員も多く、現在、特許15件、商標登録5件、実用新案2件、意匠登録10件を持ち、独自性を生かした製品開発に強みがある。使用後に紙スリーブを簡単に外せ、折り畳むことでゴミの軽減にもつながる容器が22年にグッドデザイン賞を受賞した。

 

 これまでに、ベイクックを使用した社内でのクッキングコンテストを4回開催したが、SNSで見た一般の人からも応募したいとの声があったため、クラウドファンディングも活用して一般参加者からの応募を募った。60件を超すエントリーがあり、現在作品を精査中とのこと。皆さんも気付かないうちに当社の容器を手にしているのではないだろうか。

 

 (帝国データバンク奈良支店長 近藤穣治)

 

 

 

【吉村化成】

香芝市平野81の1

HP:https://www.yoshimurakasei.co.jp/

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