奈良の十津川村で盆踊り体験 JICA留学生9カ国11人「難しいですが楽しい」
国際協力機構(=JICA、ジャイカ)の人材育成プログラムで来日し、関西の大学院などで学んでいるJICA留学生が12日、奈良県十津川村を訪れ、移住促進など新しい地域づくりや伝統文化継承に取り組む過疎・少子高齢地域の実態に触れた。
JICA関西センターが企画した1泊2日の地域理解プログラムで、カンボジアやモロッコ、南アフリカなど9カ国の留学生男女計11人が参加した。
1日目は村の盆踊りも体験。村内各大字がそれぞれの踊りを伝承していたが約40地区の盆踊りが途絶えて現在は10地区のみ。組織をつくって継承しており、この日は平谷餅つき踊り(村文化財)を継承する平谷地区の保存会(佐古金一会長、約20人)と交流した。
留学生は両手に持った扇をクルッと回しながら独特の節に合わせて複雑なステップに挑戦。輪になって踊り一体感を味わった。メキシコ市の防災担当職員で京都大学大学院に留学中のカルロス・ロドリゴ・ガリバイ・ルビオさん(41)は「メキシコにも伝統の踊りや祭りはあるが十津川村の盆踊りはとてもユニーク。難しいですが楽しいです」と興味を深め、「子どもたちに継承することが大事。私も祖母から教わったことを自分の子どもたちに伝えていきたいと思っています」と話した。
佐古会長(74)は「盆踊りは楽しく踊ることが一番。十津川村の思い出の一つになれば」と朗々の音頭。インターネットで公開している盆踊り動画もPRした。
同日夜は、同村に移住したフランス人男性が開設した森の中のレジャー施設「空中の村」の空中テントなどで1泊。きょう13日は玉置山のふもとの集落でアメリカ人男性が再生した棚田で収穫体験をする。村役場職員とディスカッションも行う。