歴史文化

大和古寺お参り日記【33】 - 長谷寺(上)

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高さ約10メートルの本尊・十一面観音菩薩立像。足元から見上げると存在感に圧倒される

 「隠国(こもりく)の泊瀬(はつせ)」と万葉集にも歌われた長谷寺は、大和川の上流、桜井市の山あいに伽藍(がらん)を構える。686(朱鳥元)年、天武天皇の病気回復を願い、道明上人が現在の五重塔あたりに銅板法華説相図(国宝)を安置したのが始まりとされる。

本堂舞台から望む五重塔
399段の登廊を登ると本堂へたどり着く。

 

 

 399段の登廊を登り切ると、国宝の本堂にたどり着く。本尊の十一面観音菩薩立像(重要文化財)は木造で、727(神亀4)年、現在の滋賀県から流れ出た巨木を使い、徳道上人が彫らせたと長谷寺縁起文に記されている。火災に遭うこと7回。現在のお姿は室町時代に造られた8代目で、右手に錫杖(しゃくじょう)を持った姿は長谷寺式と呼ばれる。蓮台ではなく岩座に立つのも特徴。

 

 同寺の瀧口光記主事に案内いただき、観音さまの足元に。日本最大級の観音さまは高さ約10メートル。足元から見上げるとより大きく見える。こんなに接近している自分が申し訳なくなるほど、その存在感に呆然としてしまう。恐る恐るお御足に触れて手を合わせた。木肌から、じんわりと木のぬくもりが伝わってくる。

国宝の本堂。大きな舞台がある。

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