音羽山観音寺後藤住職の花だより - 思い出の花編 2023年8月上旬
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お盆用のコウヤマキが玄関のバケツに入っていました。8月17日の施餓鬼会(せがきえ)に使うのでしょうか。庭をひと通り見渡すと倒木があり、網にかかっている状態です。そこはシイタケやヒラタケを栽培しているエリア。そのままにしていると危ないと思いながら庫裏に入りました。
レンゲソウから コマツナギまで
「倒れた木の下をくぐってゴミ(生ごみ=鹿のエサ)を捨てにいってるわよ」
倒木がキノコ園にかかっている
住職にとって日常のことのようです。
「専門家に切ってもらわないとね。素人が切ると木が跳ねてけがをするからね」
席についた記者に水出しコーヒーを用意してくれました。冷蔵庫にはってあるレンゲソウの花を見ながら住職が話し始めます。
子どものころレンゲソウで首飾りを作って遊んでいたそうです。
「それも色の白いのや濃い色のレンゲソウを見つけては、友だちより先に取りに走ったのよね。それからミツも吸ったわね」
記者もサルビアのミツは吸ったことがあると住職に伝えると「その花はないわね」といいます。
「ミツはね。ウツボグサの花を取って吸ったかしらね。ササユリも花びらを取って中のミツをもらったこともあるわね」
住職の茶花大事典をみるとウツボグサは山野草でした。サルビアにも似ています。
「ところでコマツナギって知ってる?」
本を記者の方に向けるとハギの花に似ているコマツナギが載っていました。
コマツナギの花。2023年8月御所市で撮影
「手で花と葉をこうやってもんで(両手でこすりあわせるような動き)、友だちのほっぺにさわるの(記者の両ほほに住職が両手を近づける)」
するとどうなるのか聞いてみました。
「ヒリヒリするのよ」と住職はいたずらっ子のように笑います。
ミツの甘い話から、落とされてしまいました。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門