大和古寺お参り日記【30】 - 大安寺(下)
境内の嘶堂(いななきどう)には、秘仏の馬頭観音立像(国重要文化財)が安置されている。公開は3月のみだが、河野裕韶(ゆうしょう)副住職に特別に案内していただいた。
馬のような力強さで苦難や厄災を食べてくださる厄除けの仏様と伝わる。馬の頭を乗せた姿が一般的だが、こちらの観音様には馬の頭がない。河野副住職によると、もともとあった頭がなくなった説や、馬頭観音像の一般的な形ができる前に作られた仏像だという説があるとのこと。文化財登録は「千手観音」というとても謎が多い仏様。
憤怒 (ふんぬ) の表情に少し緊張しながら、手を合わせる。「馬頭様の前で拝んでいると、優しさから怒ってくださっていると感じます」と河野副住職。確かに、私の弱さを見透かして何かを訴えてくださっているように思える。その表情は今も心に残っている。
この記事の残り文字数:533文字
(写真3枚 あり)
この記事は歴史文化ジャンルの有料記事です。
続きをご覧になりたい方は
ログインまたはご利用手続きをお願いします。
地元奈良を知るには
やっぱり奈良新聞デジタル!
奈良新聞デジタルの有料プランに入ると
- 月額550円から有料記事が読める
- 広告なしで快適に閲覧(一部バナーを除く)
- 国内・国際ニュースが読み放題
- 上位プランで紙面宅配や紙面ビューア利用可