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日本一長い路線バス「大仏新宮線」乗客乗せ再現車両で特別運行

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上條さんの笛を合図に出発した「大仏新宮線」=8日、奈良市春日野町のバス停「東大寺大仏殿・国立博物館」

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 高速道路を使用しない日本一長い距離(奈良県橿原市―和歌山県新宮市)の路線バスを運行する奈良交通は8日、現路線の前身となる奈良市と新宮市を結んでいた「大仏新宮線」を復刻させ特別運行した。同社創立80周年と八木新宮特急バス運行開始60周年を記念して実施。バスはこの日を心待ちにしていた乗客35人を乗せ、当時同様に軽く警笛を鳴らしてゆっくりと走り出した。

 

 出発場所は奈良市春日野町のバス停「東大寺大仏殿・国立博物館」。1963(昭和38)年に運行開始して大和八木駅に変更するまでの約20年間、発着場所だったバス停「奈良大仏前」とほぼ同じ位置という。車両は1995年まで運行していた一代前の旧車両のデザインを再現している。

 

 出発式には、当時の車掌だった同社OBの上條正幸さん(79)が、当時の車掌の制服姿で登場。バスの車体前方部には当時の名称「第1はやたま」と記された新宮行のヘッドマークが取り付けられた。上條さんは「会社も(私も)80歳。大仏新宮線の開始年に入社し(お互いに)60年」と感慨無量な様子。復刻された乗車券を乗客一人一人から受け取り、出発の合図の笛を鳴らすとバスに乗り込んだ。

 

 乗客の橿原市の会社員、柳原宏行さん(46)は「大和八木駅から乗車したことがあり楽しみ。帰りも乗車する」とにこやかに話した。大阪市の会社員、明石理生(みちお)さん(49)は「ユーチューブで八木新宮間の路線バスを知り、いつか乗りたいと思っていた。今回は記念ということで、申し込んだ」と語った。

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