副葬された鍛冶工具 - 「発掘された日本列島2022」展
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◆ 地域展
鉄鉗(かなはし)
ホリノヲ2号墳(天理市)
古墳時代
金属を打ち鍛える鍛冶に用いる、鉄材を挟む道具。長さ約43センチ。ホリノヲ2号墳(6世紀中ごろ)から鉄鎚(かなづち)と共に出土した。鍛冶工具の出土は奈良県天理市の石上・豊田古墳群の特徴だ。
同古墳群は5~7世紀に築かれた250基以上の古墳が群集する。南方には古代の有力氏族・物部氏の拠点集落遺跡と考えられる布留遺跡が位置。鍛冶工具の副葬は、鍛冶生産遺跡でも知られる布留遺跡の工人集団との関係性が見えてくる。
ホリノヲ2号墳出土品はほかに耳環(じかん)と呼ばれる金属製の耳飾りや、水晶製切子玉なども出陳。天河石(てんがいし=アマゾナイト)製の勾玉(まがたま)は小さなかけらながら古墳時代では珍しい石材だ。
「発掘された日本列島2022」展は2月12日まで。観覧無料。