高木包装、段ボールベッド供給で五條市と協定締結 災害時に有効活用を
奈良県五條市は16日、段ボール製品製造販売会社「高木包装」(葛城市、高木美香社長)と災害時における段ボールベッドの供給に関する協定を結んだ。
同市は柿の自治体別生産量が日本一で、同社が柿の収穫時に使う農業用コンテナを活用したハイブリッド型段ボールベッドを製品化した。
同市岡口1丁目の市役所で締結式があり、太田好紀市長は「地域の実情にマッチして実用的だ」と絶賛。収納サイズが従来品の約4分の1になり、保管の省スペースも大きなメリットという。
同社従来品は、段ボール箱9個を並べた上にふた状の段ボールをかぶせるタイプで長さ約200センチ、幅93センチ、高さ38センチ。ハイブリッド型はコンテナ8個を2列に並べた大きさに合わせてふた状の段ボールを作り、クッションになる段ボール部材とセットにした。長さ約200センチ、幅約78センチ、高さ35センチのベッドができる。
市内の柿選果場に出荷用段ボール箱を納品している同社が生産者らとの交流でヒントを得て、わずか1カ月で製品化。高木社長は「サステナブル(持続可能な)の意識を強く持って取り組んでいる。機能性の高い段ボールベッドが皆さんのお役に立てば」と有効活用を願った。
市は避難者数千人規模の災害も想定し、平時から避難所の安全確保や不便解消に努める。床面から高さがある段ボールベッドは避難所などでの感染症予防の効果もあるとされ、すでに市内業者とも協定を結んで段ボールベッドも300個備蓄している。
市危機管理課は「農業用コンテナの有無など地域性に応じて活用したい」としている。