山本芳弘が男子V3、女子は山口遥4連覇 - 奈良マラソン2022
関連ワード:
「奈良マラソン2022」(奈良マラソン実行委員会主催、奈良新聞社など共催)は11日、ロート奈良鴻ノ池パークを発着点にフルマラソンを行い、男子は山本芳弘(天理市・中央発條)が2時間23分05秒で優勝し3大会連続で頂点に立った。女子は山口遥(神奈川・AC・KITA)が2時間37分14秒で大会4連覇を果たし、5度目の栄冠を手にした。
男子の山本は18キロで先頭集団を抜け出し、30キロまでにトップに出ると、そのまま最後まで独走した。
女子の山口は15キロの時点で2位に5分近く差をつける力走を見せ、その後も後続をぐいぐいと引き離し、2位以下に10分以上の差をつけてゴールした。
「安堵感が大きかった」
追われる恐怖を感じながらゴールした山本
奈良県天理市出身の山本芳弘(39)=中央発條=が、3大会連続で頂点に立った。
前回大会の終了時には「次こそは、もっと真面目に練習しよう」と心に誓ったが、今年度から名古屋市の中央発條陸上競技部のコーチに就任。大会前日も「選手を指導した後、ライン引きなどをしていた」と、自分の練習に時間を割けない様子だった。しかし、「スタートに立てば、そんなことは関係ない」と気持ちを奮い立たせた。
序盤は全体的に遅いペース。「出るからには大会記録を更新したい」と意気込んだ山本には焦れる展開に。先頭集団の人数が多かったため、少し集団をばらけさせたいと山本が打って出たのが約18キロ地点。1位を走る選手にやや遅れる場面もあったが、30キロを過ぎた時点で4秒の差を付けトップに出た。
「きつかったのはトップに立ってからだった」と山本は振り返る。「一体何秒差があるのか、後ろを見ても2位の選手の姿が見えなかった」と話す。いつ抜かれてもおかしくないスピードなのは自覚していた。追われる恐怖を感じながらゴールテープを切った瞬間は「安堵感が大きかった」と、大会3連覇を果たした喜びをかみ締めた。
「タイム的には悔しい思い」
2位に10分以上の大差をつけた山口遥
マラソン女子の部は、山口遥(35)=神奈川県、AC・KITA=が4大会連続、5回目となる栄冠を手にした。昨年同様、2位に10分以上の大差を付けて、2時間37分14秒でゴールテープを切った。
スタートからゴールするまで一度も順位を落とすことなく、独走状態でトップを走り続けたが、タイムは自身が2019年に打ち立てた大会記録の2時間33分22秒には届かなかった。
「きょうは風もそんなに感じることもなく、とても走りやすい気候だったが、やはり坂が苦しかった。名前が入ったゼッケンのおかげか、沿道から名前を呼んで応援してもらうこともあり、その声援がとてもうれしく、力になった」とレースを振り返りつつ、「4連覇できたことはうれしいが、タイム的には年々遅くなっているので、悔しい思いが強い。来年もぜひ参加して、自分の持つ大会記録を超えて行けるよう、クロスカントリーなどをやりながら頑張って鍛えたい」と、爽やかな笑顔でさらなる高みを見据えた。