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音羽山観音寺 後藤住職の花だより - クルミと兄の壁編 2022年初秋

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住職とクルミ

 クルミが勉強机の上に乗ってきました。住職が物書きをしているノートをふさぐように座り込んでいます。クルミはなんだか眠たそうです。湿度が高かったこの日。昼寝をするのに涼しい場所を探しているのでしょうか。

 

 

寝ている時がチャンス クルミのつめ切り

 

 扇風機が回って一番涼しい部屋、ダイニングの机の上で、クルミが座って寝ています。

 

 「2階は暑いので夏は1階の部屋で3人(住職とクルミ、くーちゃん)で寝てるの」

 

 クルミはつめとぎができなくなる年齢になりました。

 

 「ぐっすり寝ている時がつめ切りのチャンスなの。それでも2つか3つ、つめが切れる程度。すぐ起きて嫌がられちゃう。でもつめを切らないと肉球に刺さって血が出たり、つめが硬くなってくるのよ。横になって寝ている時は眠りが深くて、こんなふうに伏せている時は眠りが浅いの」と机の上のクルミを見ます。

 

 また毎日ブラッシングをしながら毛玉を切っていきます。

 

 「ネコの体内から脂でも出てるのかしら?毛玉がすぐできるのよ」と話を続けました。

 

 

素人の兄が奮闘し 無量庵の壁を塗る

 

 「兄(故人)がお寺に来ている時に壁を塗ってくれたの。誰も見ない廊下の壁で練習してから、無量庵の壁を塗り替えてくれたの」

 

 繊維壁は素人でも比較的塗りやすい壁です。けれど枠を汚すことなく塗られています。とても器用な人だったのでしょう。

 

 「その壁をネコがつめとぎに使ってしまってボロボロなの。もう(兄が)塗ってくれないし、大きな巾木で隠そうかしら」

 

 無量庵は客間として利用するため、壁のつめ跡をなんとかしたいと考えるのは当然です。ネコのつめとぎは体を伸ばして行います。かなり上の方まで、壁が落ちていました。

 

壁につめあと

 

 若かりしころのクルミ、くーちゃんのつめとぎ跡はもうすぐ消える予定です。

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。

17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門。

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