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音羽山観音寺 後藤住職の花だより - 復興に向けて編 2022年初秋

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住職と庭

 8月17日の早朝3時の大雨の日。その日は観音様の御縁日の日でした。参道はどうにか通れましたが、観音寺の水源が寸断され、潤子さんの畑が2反分土砂で流れ、復旧にまだ時間がかかります。やっちゃんのところの畑にも土砂が積もってしまいました。その後、観音寺はどうなっているのか聞いてきました。

 

 

水源は応急処置 川は生木の流木

 

 災害から1カ月が経ちました。潤子さんの畑の復旧はこれからです。泥が堆積したことで、大事にしていたハンカチの木の葉が枯れてきました。

 

 やっちゃんの畑にも土砂が50cm積もり、やっと30cmまで取ることができました。「もうあとは、畑にすきこむしかないかしら」と、やっちゃんが話していたそうです。

 

 えぐれたと前もって聞いていた不動堂の裏手は、以前と変わらない水量になっていました。

 

 「水源は不動堂の上。石の枡でできた簡易水道があったの。石の板4枚で囲って、砂で覆っていたの。その砂がごっそり取られちゃって。トタン板で保護してみたけど、水がじゃじゃもれよ。今はスーパーの袋で底をふさいでる状態。早く桜井市の水道局の人、来ないかしら」と住職は話します。

 

現在の不動堂。土のう袋が並んでいる

 

 

これからのこと考え 支援者の力を借りて

 

 音羽山観音寺で日曜日の6時30分に、ラジオ体操をしに、男性支援者3人が集まった時のこと。次に大雨が来た時のことを考えて「何人か声をかけて、お不動さんを(不動堂から)運ぼう」という話になったのです。そうして5人、お寺に集まりました。

 

 住職は、あわてて性根を抜いて=撥遣作法(はっけんさほう)、お不動さんの魂を宇宙に帰したそうです。お不動さんは約230~240kg。毛布でくるんで移動しました。

 

 さて南音羽よりさらに奥に百市(ももいち)という集落があります。そこに向かう橋に生木が押し寄せ、そのため土砂が潤子さん、やっちゃんの畑に流れて行きました。けれどそのままの水量が谷川に流れていたら、潤子さんの家の離れが流されて、もっと大きな被害になったかも知れなかったというのです。

 

 ちょうど観音寺の隣の九十余社神社の建て替え工事が始まるようです。

 

 「こちらにもユンボまわしてくれないかしら。水道や不動堂の修理も一緒に行えたら、工事の人も、何度も山を上がったり降りたりせずに1度で済むのだけど」と住職は考えています。

 

 早い復興を祈るばかりです。

 

不動堂の裏手の谷川。水量は正常に

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。

17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門。

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