多数負傷事件に備え奈良県広域消防が橿原で訓練 救急搬送など連携確認
安倍晋三元首相が奈良市で銃撃された事件などを受け、奈良県広域消防組合は9日、不特定多数の負傷者が出る事件を想定した訓練を橿原市東竹田町の訓練施設「かしはら安心パーク」で行った。消防隊員約100人が参加し、負傷者の治療の優先順位を決める「トリアージ」や救急搬送時の連携を確認した。
訓練は橿原市内のイベントの参加者が男に刃物で刺されて計10人が負傷したという想定。消防隊員は負傷者の意識や呼吸の有無、脈拍などに基づき容態の程度を判断。受け入れ先となる医療機関と調整し、重傷者から順に救急車で搬送した。
県広域消防組合は平時から年1回、大規模な訓練を実施。訓練後、報道各社の取材に対し、寺崎至亮消防長は「いつどんな事件が起こるか分からない時代だという危機感を強くした」と事件に言及。同組合は18消防署で構成されており「継続的に訓練していつ、どの消防署が対応しても、住民らの安全安心を守れる体制を確立していきたい」と述べた。