山上容疑者を大阪拘置所へ移送 専門医が精神鑑定 - 安倍元首相銃撃

奈良市の近鉄大和西大寺駅前で参院選の演説中に安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件で、奈良地検は25日午前、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)の刑事責任能力の有無を調べる精神鑑定を行う鑑定留置のため、奈良西署から大阪拘置所=大阪市都島区=に移送した。期間は同日から11月29日まで。地検は理由について「山上容疑者の犯行時の精神状態を調べるため」としている。
山上容疑者は同日午前10時15分ごろ、奈良市学園南3丁目の奈良西署で無表情のまま車に乗り込み、前後を警備車両に挟まれながら大阪拘置所に移送された。
鑑定留置は奈良地裁が22日に認め、29日までだった山上容疑者の勾留は25日でいったん停止。今後、専門医が精神鑑定を行い、犯行時の精神状態などを詳しく調べ、地検が起訴すべきか判断する。
山上容疑者は今月8日に演説中の安倍元首相を背後から手製の銃で撃ち、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。その後、容疑は殺人に切り替えられ、10日に奈良地検に送検された。動機については、母親が入信している宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」に恨みがあり、「安倍氏が団体とつながっていると思ったから狙った」などと供述している。
県警は25日午前4時半ごろから改めて犯行現場の検証を実施。防犯カメラの映像などから山上容疑者らの位置関係を特定する。また24日午前には再び同容疑者の家宅捜索を行い、伝票類や衣類などを押収した。
県警は防犯カメラに映っていた同容疑者の着衣と一致するかなどを調べる。