奈良市が市環境清美工場業務全般の民間委託検討

奈良市は10日、老朽化が進む市環境清美工場(同市左京5丁目)の継続した安定運営を目指し、焼却炉の運転管理を含む業務全般の「民間委託」を検討することを明らかにした。同日開かれた市議会市民環境委員会(横井雄一委員長)で、鍵田美智子氏(明日の奈良をつくる会)の質問に向井政彦副市長が答えた。市環境清美工場は昨年、煤煙(ばいえん)から基準値を超える有害物質のダイオキシン類を検出。炉の一時全面停止により市外施設でのごみ処理を余儀なくされるなど、安全管理の取り組みが問われている。
市は煤煙の問題を受け、昨年の12月議会に環境清美工場の補修経費を計上するなど対策を取っているが、鍵田氏は「24時間稼働する工場の抜本的予算措置とは言えない」と指摘。向井副市長は「施設の定期点検やプラント業務委託もしたが、老朽化は深刻。突然発生する機器のトラブルなどもあり、対応は困難。運転管理について、今の体制でどこまで対応できるか、懸念している」と述べた。