親子で防災について考えよう - できること・備えること
今年のお正月、能登半島で大きな地震があり、多くの人々が今も避難生活を続けています。奈良県でもいつ災害が起こるか分かりません。災害が起こる前にできることを防災士の石川千明さんに聞きました。家族で、できることや備えることを考えておきましょう。
発災後の15分生き延びる!
家具の固定や配置も考える
地震が起こったら、最初の15分間を生き延びられるかが大きなポイントです。
防災というと備蓄を考えがちですが、地震での死亡は家具や家の倒壊などでの死亡が多いです。家の中であれば、家電や家具を固定しておくこと。もし倒れても、扉をふさいで避難のじゃまにならないよう、家具の配置も考えましょう。重い物や硬いものは下に置いたり、寝室に家具を置かないことも大切です。家族でハザードマップを見て自宅や学校の状況、避難所の位置、避難経路も確認しておきましょう。
外出時に災害が起こった時のために、まず通学路の確認をしておきましょう。安全な場所(こども110番の家や交番所)の確認、公衆電話の場所や使い方も覚えておきましょう。公衆電話は電気が通ると使えるようになります。
学校や塾などにいる時に災害が起こった場合、「親が迎えに行くまで動かない」など、どこで待つかを家族で決めておきましょう。また、連絡をとる方法も決めておくと安心です。
備蓄や連絡方法など家族で話し合って
備蓄については、日用品や食品など、いつも買っている物を少し多めに買って、常にある状態にしておく方法(ローリングストック法)がおすすめです。急病の際にも心の余裕につながります。子どもが好きなものを少し余分に買っておくと良いでしょう。甘い物や嗜好品も非常時には貴重です。
災害が起こると、避難所に行くのは自宅が使えない場合で、基本は自宅避難になります。電気や水が使えなくなった時、どう生き延びるか。日ごろの備えと体験が重要になります。アウトドアも、非日常を楽しみながら体験できるよい機会です。
一度、家族で防災について話し合ってみましょう。
防災体験講座に参加しよう
奈良市青少年野外活動センターで行われる防災体験講座では、寒い中で暖かくすごす方法や、火を起こす方法、防災クッキングなどを体験講座とゲームなどを通して防災を学ぶ講座もあります。家族や友だちと参加して体験を通して防災について考えてみてはいかがでしょう。
暖かさを体験
体温が下がると体の機能も低下します。エマージェンシーシートを頭から被ると外気と触れず寒さを防ぎます。風を通さない素材の上着の中に新聞紙をくしゃくしゃにして服の中に入れて空気の層を作ると暖かいです。
火起こし体験
マッチやライターは古くなったり水にぬれるなどすると火がつかないことがあります。災害用にファイヤースターターの使い方を覚えておくと安心です。火は食事を豊かにし、暖まるのにも大切です。火の取り扱いの際は必ず大人と一緒にします。
水運び体験
手さげ袋で大量の水を運ぶのは大変です。リュックサックの中にごみ袋を2重にして入れ、直接水を入れると手で運ぶより楽に運ぶことができます。アウトドア用のリュックサックを防災用に買っておくと良いでしょう。
防災クッキング体験
アイラップなど耐熱性があるポリ袋を使ってお米を炊いたり、ポトフ、サラダを作ります。器も新聞紙を使って作ることができます。
【材料(1人分)】
《ご飯》米60g、水100cc
《ポトフ》ウインナー1本、ダイコン30g、ニンジン30g、ジャガイモ50g、タマネギ50g、コンソメ大1/2、水150~200cc、塩少々
《サラダ》乾燥ワカメ大1、コーン大1、ドレッシング、塩コショウ
【作り方】
《お米》ポリ袋の中に米・水を入れておきます。
《ポトフ》さいの目に切った材料と水をいれます。
《調理》それぞれの袋から空気を抜いて口をくくる(ここが重要)。沸とうしたお湯に入れて30分煮る(中火)。30分経ったらご飯は15分タオルなどに包んで蒸らすとよりおいしくなる。
《サラダ》材料を袋に入れる。全体を水分(コーンの汁)になじませる。ワカメがふくらんできたら塩コショウ、ドレッシングなどで味付けをする。
※エマージェンシーシートやファイヤースターターは100円均一ショップでも売られています。
★防災体験講座は10人以上で開催可能です。
詳しくはNPO法人奈良地域の学び推進機構までお問い合わせください。
Tel:0742・93・0029
https://www.yac-nara.org/bousai/