NHK大河ドラマ「光る君へ」で、お笑い…
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NHK大河ドラマ「光る君へ」で、お笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんが演じた藤原実資。宮中の政務や日々の出来事などを記した日記「小右記」を残した平安時代の貴族だ。
ドラマの中で、藤原道長と実資が「政(まつりごと=政治)とは何か」を論じた場面があった。「民の幸せのため」とする道長に対し、実資は「何か起きた時、まっとうな判断ができるように構えておくこと」とした。実務派だった実資らしいセリフだ。
当時は儀礼社会であり、何よりも重視されたのが前例。そのため、貴族たちは儀礼の作法などを日記に記し子孫たちに残した。
過度な前例偏重は問題があるだろう。しかし、まず前例を知り学ばなければ、それが良いことか悪いことかを判断できない。
日記は「まっとうな判断」をするための記録の役割を果たしていた。そして、実資たちが詳細に記してくれた日記のおかげで、今日の私たちは歴史を知ることができる。
現代の新聞が果たすべき役割も同じだろう。歴史を伝える仕事の一端を担っていることを自覚し、来年も精進したい。(法)