12月が目前だ。慌ただしく過ぎ行き、平穏な心を失いそうにもなるが、命や暮らしを振り返る時期でもある。

　1日は世界エイズデー。エイズの正しい知識の流布、まん延防止と患者、感染者への差別・偏見解消を目的に県内自治体でも資料展示などがされる。大阪では関連行事が2週間以上ある。

　治療法の進歩で、HIV(エイズウイルス)に感染しても以前と同様の生活が可能という。血液中のHIV量の検出限界値未満を維持すれば、性行為で他人に感染させることはないとのメッセージ「U=U」も認知度が高まった。

　歳末のたすけあい活動が盛んになる。生活に困難を抱える人々を支援するお金や物品を集める募金、フードドライブなど多様な取り組みが展開される。僧侶の托鉢(たくはつ)は奈良らしい光景だ。

　8日は太平洋戦争開戦の日。今も絶えない世界各地の紛争、戦争がひとごとではないこと、平和のありがたさを胸に刻む時だ。

　誰もがいい年を迎えたいと願う。多忙な師走はその準備期間ともいえるが、自分だけでなく他の人のためにも時々は立ち止まってみたい。(智)