国原譜

今年も伝統行事「鹿の角きり」が12日、…

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 今年も伝統行事「鹿の角きり」が12日、奈良市の鹿苑で始まった。今では秋の観光行事となっているが、元々は発情期を迎えたオスの鹿が伸びた角で人にけがをさせないためのもの。

 

 人と鹿のトラブルは、角きりが始まった江戸時代も現代も同じ。奈良の鹿愛護会は10日、観光客らが鹿の角でけがをする事故が増えているとして、「厳重注意」を発令した。

 

 事故が増えた要因の一つは鹿の増加。愛護会が毎年、行事以外にも角きりの作業を行っているが、昨年より必要な鹿が100頭ほど多いという。

 

 さらに、鹿の生態を知らない観光客が増えたことも要因に挙げられる。「奈良のシカ」は野生の生物であり、適度な距離を保つことが大切だ。

 

 しかし、奈良公園は駅から数分の所に当たり前のように鹿が歩く、おそらく世界中を探してもどこにもない公園。しかも人をほとんど恐れない鹿を、野生生物だと海外の観光客に理解してもらうことはなかなか難しい。

 

 もちろん、鹿は奈良公園の最大の魅力であり、だからこそ、多くの観光客を集める。辛抱強く注意を呼びかけるしかない。(法)

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