「コロナ禍のため開催は5年ぶり」。そん…
「コロナ禍のため開催は5年ぶり」。そんな一文のある記事が多くなった。中止や縮小を余儀なくされていた地域の行事が次々と本来の姿を取り戻している。
そんな中、県の無形民俗文化財に指定されている橿原市東坊城町の火祭り「ほうらんや」が、今年も火祭り行事中止と発表された。非公開で神事のみ営むという。
8月15日に同町の春日神社と八幡神社で営まれ、厄よけとも先祖供養ともいわれる。高さ約3メートル、直径約1・5メートル、重さ約450キロにもなる大たいまつを数十人の男がみこしのように担いで境内を回る。
炎の勢いはすさまじく、「エッサー、ホイサー」と近づくと、思わず後ずさりしてしまう。後ろに逃げ場がないと正直怖い。担ぎ手はなおさらだろう。
そんな祭りがコロナ禍を受けて2020年から神事だけとなった。今年の中止も感染症と熱中症を警戒しての判断だ。
大たいまつは小麦のわらや菜種殻が材料で、たいまつの作り方にはコツがあるという。200年以上続くといわれる火祭りが子々孫々へと受け継がれるよう、来年こそはと期待したい。(増)